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2001.4.28〜2003.8.31

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2003/4/30(Wed)
 職場では昼間ボーナスの話でもちきりだった。いろいろな憶測が飛び交ったが、所長が本社に行ったので持ってきてくれるんだろうという話に落ち着いた。夕方所長が帰ってきて、結局かなり削られたらしいが出ることは出たようだ。
 日本酒のアルコール度数は20%までが大半で、それ以上となると醸造アルコールの出番になる。「さむらい」という酒は46%で、「日本一アルコール度数が高い」「日本酒のウォッカ」をうたっているだけあって飲みやすいがのどに焼け付く感じがある。直属の上司の父親が退職する際、酒飲みの人に「これは効くよ」ともらったものだという。
 所長が買ってきたつまみを食べながらビールを飲んでいると、険悪な雰囲気が伝わってきた。今までのうっぷんが吹き出したのか、所長と他の人が元請けの会社のやり方について口論していた。職場はいわゆるNTTの二次下請けで、自分が書くのもなんだがNTT-MEや一次の会社やトップの無能に悩まされることが多い。そろそろ新機軸を生み出さなければじり貧のままだが、特に良いアイディアもない。むずかしいものだ。

 まあ経営のことは部外者が口を挟める問題ではなく、事情もよくわからない。目の前の仕事をこつこつ片づけるのみ。ほろ酔い気分で帰途についた。
2003/4/28(Mon)
 埋設物調査の途中、銀行のATMで残高をチェックしてみたら給料が振り込まれていた。よかったよかった。以前27日が休日だと28日には振り込まれなかったので、今回も30日になるかと思っていたのだった。普段から派遣元には悩まされているので、こんなささいなことで安心してしまう自分に苦笑してしまった。事務所に戻ったらおっさんたちには休暇を取ったのかと思ったと言われ、直属の上司には明日も出るかと本気半分にからかわれてしまった。勘弁してよ。
 話は昼にさかのぼり、喫茶店に入って今月の支出を計算していたらどこかの社長と連れの女の人が隣のテーブル席に着いた。社長には時計や宝石などの高級品に自分なりの哲学があるようで、問われるままに考えや実状を話していた。女の人が高級ブランド品を身につけると自分の価値も上がったような気がすると言っていた。本当にそんな人いるんだなと思いつつ、無縁の生活を送っている自分には使い分ける以前に価値がよくわからない。
2003/4/26(Sat)
 そのうちPARAさんが起きてサイトのチェックをしていたら、隣でのぞいていた自分の頭からほこりが落ちてきたので庭でひたすらほこりを落とした。ずっと畳の部屋に住んでいるので忘れていたが、やはりカーペットはほこりがつきやすい。さのともさんは親が桃太郎寿司をやっていて、以前聞いたときは大学時代を過ごした弘前にある桃太郎寿司と同じかと思ったが全国展開はしていないらしい。うまいかどうかはわからないが、戦略的にはおもしろそうなので一回ぐらいは高円寺に食べに行ってみたい。
 PARAさんの買い出しにつきあったあと「ベースボールキッズ」を見に新宿へ行った。少年野球チームの友情と団結をテーマにし、事前に都内の少年野球チームにアピールしたせいかやたら小学生が多く、プリティ長島が出てきてちょっとしたアトラクションをおこなってからはさらに歓声が大きくなった。子供は単純で元気な方がいい。
 肝心の映画の方は直球過ぎて不覚にも泣きそうになった。あまりにも典型的な展開のせいか、内容もわかりやすい。先週のイベントできれいな映像を撮る監督だということはわかったが、今回も映像はかなりきれいでキャストなどを考えるととてもVシネマ予算で撮ったとは思えない。上映後に応援団長の今さんたちと話したが、あたりを上映待ちの子供たちが走りまわっていてかなりにぎやかだった。今さんのサイトのトップページは以前よりもさわやかで簡潔になったが、ある意味実態に即していると思う。

 その後池袋に行き、昔っぽい感じの喫茶店に入ったあと大戸屋で夕食をすませた。個人的には食べ物屋ばかりある近所の通りにラーメン屋よりは大戸屋ができてほしいと思う。そうこうしているうちにいい時間になったので初めての人にはわかりづらい場所にある自主映画上映会、シネマキャバレーに行く。
 今回は作品がある程度長いので3作上映ということらしい。堀井彩監督「忘れられない女」は最初名前から監督は女かと思ったが、内容を考えれば男だと思い直した。振られた男が陥りがちな展開ではある。露骨なセックスシーンと食い入るように見つめる男女のシーンから始まり、いくつかの映画祭の賞を取っているようだが上映するまで大変だったろうなと思う。なんとか指定がつきそうだ。今ならストーカーものと片づけられるかもしれない。映像がきれいで監督は意図していないだろうが、途中からフェチっぽさが倍増する。ある筋の人が見たら泣いて喜びそうだ。主人公もむくわれないが、主人公を思う女の人はもっとむくわれない。「忘れられない女」とはダブルミーニングなのか。こんなことを言うのもなんだが実は主人公はおいしかったのでは。
 末澤薫監督「ひとり恋歌」は断片的な映像から思考を通さずに感覚で見るものかもしれない。女の人が語っているときの表情の変わり具合がおもしろい。アートっぽい感じだがまさかだじゃれからつくったとは思わなかった。最後の樋永真一郎監督の「モップ DE POP -完全版- 」はデッキブラシで「WE WILL ROCK YOU」でも歌っているのかと思ったが全然そうではなく、トイレ掃除の仕事を始めた若者の話だった。公衆便所に現れる変な人々と主人公の今どきの若者の成長(?)を描きつつ、ギャップがテーマになっているんじゃないかとひそかに思った。今回上映された作品にはある意味共通するところがあるんじゃないかと思う。
 上映会のあとは交流会があり、当然のごとく参加した。11時で切るのは場所を借りる上などでしかたないかもしれないが潔い。何はともあれ金がもってくれて助かった。実は月末の給料日までもつかどうか危惧していたが、うまい具合に状況が整った。天の配剤というやつか。ありがたいことだ。
2003/4/25(Fri)
 最終日なので松梨監督の「レプリカント・ジョー」を見に行った。けっこうな行列ができていて驚いたが、今日が最終日でこの作品をもってBOX東中野が閉館する(実際はちょっと違うが)からなんだろう。自分はあまりわからなかったが、自主映画関係の人々も大勢来ているようだった。個人的には毎日読んでいる宮沢章夫さんの雑記(現在は富士日記)にもたびたび登場する月蝕歌劇団の三坂さんを間近で見られてよかった。予想よりもずっとチャーミングでノリがいい。追っかけをしている人がいるのもなるほどと思えた。
 で、その三坂さんも出演する「ジョー」は確かにおもしろかったが、今までに比べると薄味であまり残らない感じがする。ラストも突然だった。まあそれは主人公のぬるさを考えるとむしろ当然かもしれない。水野晴郎の過剰な表情など細かいところでは見所満載だったかもしれないが、どこかのサイトにあったように上映後のおまけ映像の方がインパクトはあったとは思う。
 終了後、夜勤明けにも関わらずBOX東中野のために一日中見ていた人(気がついたら今月の週末は何かと行動を共にしているPARAさん)やその知りあいの人々と飲むことになり店を探していた。途中で松梨監督たちと合流することになり、金曜の夜にも関わらず空いていた某大衆居酒屋へ。終電を前にして料理が来る前に帰る人も多かったが、店員に閉店ですと言われて初めて3時を回っていることに気づいた。どうせなら5時閉店にしようよとつっこみつつ、松梨監督も自転車で帰っていった。多少視野の狭いところはあるが熱心な人だ。これからもいろいろと苦労しそうだが次を見たいなと自分を棚に上げて思った。
 その後は始発待ちでファミレスで時間をつぶすという白夜書房の若き女編集者やそれについていった人々と、PARAさんの部屋に行ったさのともさんと自分とに分かれた。部屋についてから何か話をしたような気がするが、他の人が寝たので自分も寝た。とりあえず街宣車で目が覚めたのは確かだ。そのうちのひとつは妙にテンションの高い女の人が名前を連呼していた。どれほどの効果があるのか。
2003/4/24(Thu)
 議員が不祥事を起こしたとき、議員の責任とともにその議員を選んだ国民の責任が論じられることがある。それはごもっともな話だが、その前に選挙活動の方法を変えてから論ずることと思う。
2003/4/22(Tue)
 『ブラックジャックによろしく』はつくづくダブルバインドというか板挟みに悩む物語だ。最新巻で取り上げられた「がん」はまさにその宝庫(?)だろう。主人公のようにことあるごとに悩みまくるのも身が持たないが、まったく無視するわけにもいかない。考えてみれば人生そのものが板挟みの連続とも言えるのだからなおさら。
2003/4/21(Mon)
 地図で中野坂上から東中野までの道を確認してみた。やはり山手通りをずっと歩いていけばいいようだ。おかしい。昔かなり道に迷ったような記憶がある。ではどんな道を通ったのだ。それともまたどこかと勘違いしていたのか。
2003/4/20(Sun)
 昨日は新宿でのある映画関係のイベントのあと、自主映画の上映会に誘われて池ノ上に行った。初回ということもあってか勢いが有り余って主催者たちが先走っているようなところもあり、常連の人たちは賛否両論というかあまり反応がよろしくなかったが、初見の自分はかなり楽しめた。途中濃すぎてよくわからないところもあったが、真剣にバカができるのはむしろすごいと思う。むちゃくちゃなノリはなじみ深くて嫌いではない。
 渋谷に移動しての打ち上げで飲んでいる最中にいやな予感がして、イベントの途中で買った前売り券だけは上着にしまい込んでおいた。ラストオーダーで飲む場所を変えるときにパンフレットを置いてきてしまったのが残念だ。主催者の映像温泉芸社の人たちは充足しているので特にこれといった野望はないそうだが、ひとりだけ上昇志向のある人がいるのでその人をバックアップしていこうという話が自分がいたテーブルでは出ていた。
 状況はかなり違うが気持ちはわかる。他の部分はともかく仕事に関しては充足していない。今後どんな方向に進むにせよ、今の仕事をずっと続けていくことはないだろう。もともと会社勤めする意識が希薄だが、なんだかんだ言ってもやめたらやめたで別の会社で働いていそうだ。だがどうせならという気持ちがあり、結局自分は何を成し遂げたいのか、売りはなんなのかなどといったことをつらつら考えながら帰った。まだ自分には「人生おもしろけりゃいいやんけ」とは思っても言い切れない。以前の情熱はすっかり影を潜めてしまったが、まだまだ大人にはなれない。考えるだけで状況に迫られなければ実行に移さないところがあり、間違いなく今まで関わってきた人々のおかげで今がある。とりあえず眠いのでこれから少し寝る。
2003/4/18(Fri)
 あれやこれやで中断していた野口晴哉『整体入門』読了。こちらも身近な例が豊富でわかりやすい。疑問も解け、これでひとまず大丈夫。より詳しいことが知りたくなった。
 あたたかいを飛び越して暑いと言ってしまいそうな最近だが、仕事から戻ってきて思い出した。今の部屋は空気がこもりやすく、夏暑く冬寒い。今年も冷房なしでいく。窓開けっ放しの季節もそろそろなのか。
2003/4/17(Thu)
 以前居酒屋だったところが改装され、できたのはラーメン屋だった。そういえば2か月ぐらい前も4軒ぐらい隣のそば屋の跡地にラーメン屋が開店していた。あのときはひたすら行列ができていたが、今度は客がどれだけ入っているのかよくわからない。相変わらずひっそりした感じで入りづらいのかもしれない。これで駅から5、6分のアパートまでラーメン屋が5軒になった。これも土地柄か。通りには食い物屋ばかりで競合しないのかといつも思っている。むしろその方がいいのか。
2003/4/15(Tue)
 帰りの電車の中で、テキスト王というサイト内の連載のひとつ「メールフレンド」を読みふけっていた。あるメーリングリストに投げ込まれた殺人予告から物語は動き出す。メールのやりとりにより話が進められ、なかなかよくできている。次のページがとても気になる。おかげでいい気分転換になった。
2003/4/14(Mon)
 昨日ここのオフ会に行ってきた。夜勤明けの主催者が途中酔いつぶれて寝てしまったせいもあるのか、ついに場所替えすることなくだらだらまったりと続き自分は終電で帰った。今日はかなり眠かったが、昼間から酒が飲めるのも幸せなことだと一口目のビールで思った。
2003/4/10(Thu)
 電車の中で5、6歳と思われる子供たちの会話が聞こえてきてその内容にゆううつになってしまった。無邪気に話しているだけによけい怖い。子供は社会の鏡だというが本当にその通りだ。どんな色にも染まる。まあ自分に子供はこうあってほしいという幻想があるだけかもしれないが。
2003/4/8(Tue)
 どうにも具合が悪く、体中がだるいので早退した。部屋に戻ってからは雨に加えて風がものすごい勢いで窓を揺らしていた。郵便屋のバイクの音が聞こえたかと思うと、自分の名を呼ぶ声が聞こえたような気がした。階段を下りると空耳ではなく、待ち望んでいた書類が速達で届いていた。ちょうどよかった。明日送り返せば終わる。
2003/4/6(Sun)
 ふと思った。もしかしたら自分の感覚は自分のためにはすべて正しくて、それに気づいたり信じたりできないからまちがいを起こすのかもしれない。
 それはともかく、昨日からBOX東中野でバカ映画界の女王と呼ばれている(らしい)松梨智子監督の映画をオールナイトで観ていた。時折繰り出されるギャグに笑いつつ、眠気をものともせず目を見開いて見入っていた。血しぶきが不条理なお約束のようで何度となく出てきた。一見うまくいっている展開でも次またなにかあって覆されるんじゃないかと気になってしかたなかった。
 上映された作品の中では「毒婦マチルダ」が一番気に入った。ありがちな展開のような気もするが激動の女一代記という趣でいい。なんか主人公が女の人の場合は上り詰めるが本当にほしいものは手に入らなくて、男の場合は違う方向に努力したり挫折をくり返しつつ適当なところで妥協するという感じがする。愚かしくも輝かしい青春の蹉跌というか。観ている方は笑えるがもの悲しいような気もする。
 それにしても毎回出演しているというまんた則男さんはおいしい。他の人もいい味だしているが、まんたさんのあくの強さに持って行かれてしまうところがある。監督は思ったよりもきれいな人でスタイルがとてもよかった。休憩時間や上映後にCDやDVDを買ったり、記念撮影をしている人を見てなんだかうらやましくなった。あいにくカメラの類は持っていないし、DVDは観られないしCDも聞かなくなった。何より今月は諸事情で出費を制限している。
 ということで一抹の後悔を残しつつ、他に来ていた知りあいの人と館をあとにした。映画は好きだけどたまにしか見に行かない自分と違って、その人は本当によく見ているのでいつもすごいと思っている。帰ってからも映画のシーンが頭の中で浮かんでは消えていった。せっかくなので現在上映中の最新作「近未来蟹工船/レプリカントジョー」を終了までには観ておこうかと思う。
2003/4/5(Sat)
 強い雨に窓が曇っている。昼間になって少しは明るくなってきたがやみそうな気配はない。寒くて雪でも降りそうだ。ここを過ぎれば季節がまた移り変わるのか。
2003/4/3(Thu)
 野口晴哉『風邪の効用』(ちくま文庫) 読了。なるほどそういうことだったのか、と驚きと納得の連続だった。早速役立っている。次は『整体入門』を読んでみる。
2003/4/2(Wed)
 帰りの電車にスーツ姿の初々しい人々が乗り込んできた。京都や名古屋から引っ越してきたらしい。そういえばそういう時期だった。今は輝きを放つスーツもやがてくたびれてしまうんだろうか。隣に立っていたおっさんのように。
2003/4/1(Tue)
 風邪もすっきり抜けてこのところの体調不良も解消した。それはいいが、職場の相変わらずの景気の悪さはなんとかならないものか。「昔はよかった」調のため息はもういいよ。まあ気にしてもしかたないか。

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