|| HOME || notes top || mail ||

聖レオナルドゥスについて

 聖レオナルドゥスが活躍したのは6世紀頃とされ、初代フランク国王クローヴィス Clovis (在位481〜511)の妃クロティルド Clothilde の難産を救ったことから、妊婦の守護聖人ともされる。

 フランス中西部のリモージュ Limoges 近くの森に修道院を建て、不運にも虜囚の身となってしまった人々の解放に力を注いだ。無実の罪に問われた人が聖レオナルドゥスの名を唱えるとたちまち鎖が切れて自由の身になるという奇跡が続出し、修道院や聖人の墓前には数多くの切れた鎖が献納された。

 11世紀に記された聖人伝によってその名声はフランス全土はおろか、イギリス、イタリア、ドイツ、オーストリアなどに広まり、民衆の間で圧倒的な支持を受けるようになった。特に慕われるようになったのは、12世紀に始まった十字軍のエルサレム遠征の頃からである。象徴する持ち物は鎖や手錠であり、ロバに乗る隠者として描かれる。

 「十四救難聖人 auxiliary saints/Fourteen Holy Helpers 」という、14世紀のドイツに出現した聖人の一団のひとりにも数えられる。瀕死の状態や失意、突発的な事故など緊急な加護を要するとき、これらの聖人に祈りを捧げることで助力が得られるとされ、地域によりその構成も一部異なっている。

←Back