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待降節について

 5世紀頃ガリア(現在のフランスを中心とする地域)やスペインの教会は、復活祭におこなう洗礼の準備のために四旬節があるのに応じて、主の公現日におこなう洗礼の準備の断食節を設けた。6世紀にこの地方でも降誕祭がおこなわれるようになると、断食節はその前の40日間となった。ローマ教会はこれを取り入れて降誕祭への準備のときとし、開始日を11月30日に最も近い主日(日曜日。1週間ごとに主イエズスの復活を記念する祝日とされる)と定めた。この日を教会暦の1年のはじまりと見ることは8世紀から始まる。

 教会の暦である典礼暦(1969年以降は新しい典礼暦が使用されている)は大きく分けてふたつの要素から成り立っている。毎日曜やイエズスの生涯のさまざまな出来事を記念する祝日からなる「聖節の部」と、教会が列聖した聖人たちを年間を通して記念する「聖人祝日の部」である。

 聖節が聖人祝日に優先し、聖節の配置によって聖人祝日が年によって省かれたり移動したりする。年間の聖節は待降節と降誕節、復活節の準備期(公現後の6週と四旬節)、復活節、聖霊降臨後の時節(聖霊降臨後の24週)に分かれている。

 待降節はイエズス以前の人々が神の約束を信じ、期待しながら救い主の来臨を待っていた旧約時代を記念する。さらに単に過去(旧約)の記念だけでなく、未来へのすばらしい希望と期待の祈りのときとされる。

 Advent(ラテン語で adventus)とは来臨の意で、ベツレヘムでイエズスが誕生した「過去の降臨」と、イエズスが再臨して「最後の審判」をおこない、神の御業が完結する「未来の降臨」への期待・準備というふたつの面を併せ持っている。四旬節ほど厳重な断食節とはされていないが、来臨の厳粛なときとして、この時期には結婚はおこなわれず祝祭の頌歌も用いられない。

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